とんかつまつをフォーエバー!!

4年半ぶりに「とんかつまつを」に行ってきました。東日本大震災で入店していたビルが取り壊しになり、移転先もわからぬままだったのですが、偶然すぐ近くのビルに懐かしい文字並びの看板を見つけ、いつかは行かねば!と思い続けて幾星霜。ようやく本懐を遂げました。

新しい住所はこちらです。
〒980-0021
宮城県仙台市青葉区中央3丁目4-10 ブルービルB1F

以前のお店より少しだけ狭くなったように思いますが、カウンターの中では若旦那がきりりとお仕事をしています。入店時、たまたま自分以外にお客がいなかったので震災以来の来店であることを告げると、若旦那は筆者のことを覚えていてくださいました。あぁ嬉しい。東日本大震災以前の最後に来店した際(2011年3月)、大旦那(若旦那のお父上)が腰を悪くして調理場に長時間立つのが辛くなってきた…なんて話を聞いていたので、大旦那の具合を聞いてみました。腰以外はお元気で来春には調理場に復活するだろうとのこと。おかみさん(若旦那の母上)もやや高齢になり、膝が悪くなってきたとのこと。お大事にしていただきたいものです。

ロースかつ定食1,470円

そんな会話を楽しんでいるうちにロースかつ定食1,470円が筆者の目の前に登場。定食の汁が豚汁なのも、特製ソースの小鉢にカラシが落とされているのもまったく変わりません。逸る心を抑えつつかつをひとくち。んー。懐かしいまつをのロースかつです。衣は粗過ぎず細か過ぎず。ロース肉の厚みに寄り添うようなじゃりじゃり感。またカラシを溶き入れた特製ソースともばっちり合います。白飯も口内に追加し、ロースかつとの素晴しいタッグマッチを堪能。そのフィナーレをかっさらうかのように豚汁を注ぎ込と、これぞまつをハーモニー!キャベツにくし切りのトマト、そして実は単体でもかなりおいしい漬物も侮れません。


ボケててすみません

夢中で食べ進み、あっと言う間に平らげてしまいました。5年ぶりなのにまるで時間をワープしたように変わらぬ味でありました。

まつをは現在11:30〜15:00までの営業で、夜は予約のみの対応です。また定休は木曜日。かつカレーのカレーを仕込むのに若旦那ひとりでは一日がかりになってしまうんだそうです(大旦那とおかみさんの通院の日でもあるらしいです)。まつをのこの味を維持するためなら週休二日にされてもまったく惜しくありません。そして次回はまつを定食980円かロースかつ重1,470円のどちらを食べるべきか、今から大いに悩んでいます。


福島・相馬のかつ吉


■お店
とんかつ かつ吉
〒976-0042 福島県相馬市中村田町30
Tel : 0244-36-1696
定休 木曜日
website http://www.soma.or.jp/~shinpo/

■前口上
昨年友人に教えてもらって以来、ぜひ食べに行きたいと思っていた福島県は相馬市の「かつ吉」へでかけてきました。普段宮城県仙台市に住んでいる筆者には、相馬へ出かけること自体がアトラクションであり、もしかするとそれが味わいへのブースターになってしまう可能性がありますが、そこをどうフラット化するかが今回の課題です。



■概要
対象メニュー:ロースかつ定食(110g)1,000円
盛りつけ:超大盛りのキャベツにかつが乗っかってます(笑)
キャベツ:甘い!ちゃんと手で千切りにされています。しかもデフォルトで大盛り
ソース類:特製トンカツソース(煎りゴマすり鉢は付いていません)。ドレッシングの類いはなし
カラシ:無し!
その他:ご飯、味噌汁、漬物


■感想
カウンターで食べたためか、まず漬物、味噌汁、ご飯が並びました。この味噌汁がたっぷり、かつ刻みネギもたっぷりでかなり嬉しいです。間髪入れずにかつのお皿が供されます。壺入りのソースを柄杓でまずカツ半分にかけひとくち。衣と肉の関係はごく標準的。これ以上肉が厚くても薄くてもダメです。衣のキメも粗くなく細か過ぎず。結論から言うとトンカツとしてごく標準的なお味です。が、山盛り…と言うか、もはやカツのためのベッドと化した山盛りキャベツが威力を発揮。手作業で千切りにされたと思われるざくざく感は、それだけでカツの魅力を高めます。またキャベツの素性が良いのかなかなかの甘味。ドレッシングが無いので、トンカツソースをそのまま流用。かけ過ぎに注意ですが、カツ+キャベツ+ご飯の繰り返しに時折味噌汁と漬物を挟み込むと、ごく標準的なロースカツがとても魅力的な一皿になることに気付くでしょう。そしてこのご飯と漬物もクオリティが高く、半分くらい食べ進むとだんだん恍惚としてきます。これぞバランスの妙。


■評価
中の上。「定食」としての完成度は大変高い。そしてお店内外の佇まいも大変好ましいもの。自分の家の近所にあったら1週間に3日は通ってしまいそうな気がします。きっと店主ご夫妻と仲良くなったらもっともっと居心地が良いでしょう。また「盛り合わせ(3人前、5人前)」なんてメニューがあって驚きました。単に酒のつまみに揚げ物という定番だけでなく、例えば家族3人で盛り合わせとライス+味噌汁を組み合わせて、夢のコンボメニュー!みたいなこともできるんじゃないでしょうか。そこにも店主ご夫妻のホスピタリティを感じてしまうのですが、裏を読み過ぎ?ともあれ一度だけの食事で判断するなら、トンカツそのものは標準的なものなので上ランクには入れづらいです。何度か通ううちに評価が上がる可能性があります。もちろん、再訪決定です。相馬の近くで腹が減ったから…ではなく、「かつ吉でメシを喰うから相馬に行く!」が成り立つお店です。

2015年櫻家初め

1月の半分も過ぎて、ようやく2015年初櫻家がかないました。

極上ロースとんかつ定食1,450円。この世の極楽

家族といっしょに行ったのでひとりでは注文しないメニューも食べられました。とは言えメインはやはり極上ロースとんかつ定食。右端の切り身はほぼ全部が脂身でしたが、もうね、お口の中でとろけますよ。陳腐な表現で本当に申し訳ないです。

フライドポテト300円

家人はヒレかつ定食を注文していました。塩で食べる方が肉の(ある意味)粗野な味わいをより明確に味わえるのだそうです。実は衣の味わいも塩の方が明確に味わえるのですが、塩との相性が良いのはヒレ肉ならではでしょう。

お皿の種類が違うことに注目!ヒレかつ定食1,200円

しかしサイボクゴールデンポークのロース肉と櫻家自家製ソースの組み合わせには、抗い難いパワーがあります。至福の数十分。ちなみに子どもたちがおかわりしたことで、筆者の櫻家史上初めてキャベツのお代りをしたのですが、別皿に盛られて出てきました。まとめて支払ったので価格はわからず。無料かなぁ。と言う事で櫻家さん、今年もよろしくお願いいたします。

さぁこの画像でイメージトレーニング!

滅多に見られない角度から

仙台・秀かつ、1000円台の王者登場か?

2015年最初のトンカツは、意外にも櫻屋さんではなく、本ブログ初登場のこのお店でした。

■お店
秀かつ 折立店
〒989-3121 仙台市青葉区郷六龍沢18-1
Tel : 022-226-2976
定休 不明

■前口上
その日、あまり時間に余裕の無い友人と、仙台市青葉区折立の近くで昼食をとることになりました。友人は(どこで食べるか)任せます、と言う。あまり迷う時間はありません。という時に秀かつを思い出しました。以前も食べてこのブログに掲載するべきか思案中のお店です。新年最初の重要なトンカツチャンスなのですが、さて、吉と出るか凶と出るか。

■概要
対象メニュー:宮城県産ハーブ豚ロースかつ定食(竹)1,000円
盛りつけ:トンカツ専用の網皿(バット)、キャベツも別鉢という徹底ぶり
キャベツ:機械切りで少々水っぽい
ソース類:特製トンカツソース(煎りゴマすり鉢は付いていません)。塩。キャベツ用にはサウザンアイランド系ドレッシング
カラシ:別容器に練りカラシ。付け放題(←これ重要)
その他:ご飯、味噌汁、漬物、スパゲティナポリタン(!)。

■感想
まず肉のもちっとした歯ごたえに感嘆。衣もじっくり揚げた感じのしない白っぽいものですが、肉のもっちり感を受け止める適度な粗さを始終キープできています。ソースは小鉢が付いていないのでトンカツに直接かけていくのですが、これらの重量級トンカツとも互角に渡り合う、甘味と酸味が拮抗するずっしり系のソースです。そして食べ進み始めると「この味、どこかで…」と思い至ります。実はこの味、石亭の味にたいへん似ています。またデフォルトでタマネギフライが付いてくるのも好感度大。ネギ類って、フライにするとどうしてあんなにおいしいのでしょうか。

■評価
中の上。残念ながら脂身の味わいが石亭に及びません(言わんや櫻家をや)。また小鉢に割りと多めに盛られてくるキャベツも水にさらす時間が長いのか、しゃきしゃきはしていますがキャベツ本来の甘味などを味わうまでには至っていません。ご飯のお代わりが200円というのも全体のコストパフォーマンスを考えるとやや割高感を覚えずにいられません。トンカツそのもののポテンシャルは高いのにこの3点がどうにも残念です。ただご主人を初めとした店員さんの対応は大変気持ちの良いものですし、ひとくちふたくち分とは言えスパゲティナポリタンが付いてくる昭和感も今では貴重です。何より(ご飯のお代わりをしないなら)1,000円で味わえるトンカツ定食としては物凄いクオリティです。金額帯での比較なら、櫻屋のロースカツランチを凌駕していると断じます。