トンカツシンジケートセンダイmtg#1「かつ勢」


トンカツシンジケートセンダイの最初のミーティングが「かつ勢」にて実施されました。

かつ勢は実は久しぶりですが、万人が認めざるを得ない銘店。初めてのミーティングにこれ以上ふさわしいお店があるでしょうか。いや、ありますが(笑)、メンバーの都合と立地からかつ勢が選ばれたのでした。時間通りにメンバーが集まり、お茶が供されるまでのわずかな時間でメニューは決定。ロースカツ定食1,000円と特ロースカツ+ごはん+みそしる(合計1,420円)の2種をお願いしました。かつて筆者はこのふたつを食べ比べた結果、肉質は同じものだと考え(店主に確認したわけではありません)、コストパフォーマンスに優れる「ロースカツ定食」こそがベストオブかつ勢と考えてきましたが、今回のミーティングでその考えに変化がありました。

結論から言うと、特ロースカツの方が、より良いと思うようになりました。それは衣と関係があります。かつ勢の衣はじっくり揚げた濃い茶色。粗さが実に絶妙で、細かくもなく、また必要以上に粗すぎもせず、しかも最後の一切れまで肉からはがれないという職人技を堪能できます。筆者はこの衣がトンカツの品性を決定すると思っているのですが、かつ勢に関してはもう言うこと無しどころか、ひれ伏すという言葉の方がぴったりくると思っています。そしてこのたっぷり良質のラード(ですよね?)を吸った衣と対等に肉質を味わうなら、特ロースカツの方がより良いと、今回のミーティングで思い至った次第です。普通のロースカツ定食ももちろんおいしいのですが、味わいの内訳は結果的に衣の方がやや優勢。従ってそういうタイプのトンカツが好きな人は積極的にロースカツ定食を召し上がれば良いと思います。筆者は衣と肉ががっぷり四つに組んでいるタイプのトンカツが好きなので、多少の価格差があっても、特ロースカツを選ぶでしょう。

ロースカツ定食1,000円。
恐るべきコストパフォーマンス

今回同道してくれた後藤組員の提案で、双方のトンカツをトレードしながら食べられました。このA/Bテストが無ければこのことに気付くのにはもう少し時間がかかったかもしれません。また同時に後藤組員からかつ勢のひれかつについてもレクチュアを受け、結果的にそちらも食べてみなければならなくなりました。

本ブログはどんどん更新速度が遅くなっていますが、うまい!と認定したお店でも、こんな風に探求の必要が発生するため、新規店舗開発のペースが遅くなるのです。加えて銘店は大事にしたいとも考えています。良いお店は食べることでしか支援できません。トンカツシンジケートセンダイの活動は、このブログからは見えない水面下で多忙を極めているのです。

※かつ勢の特ロースカツは単品で1,100円(2016年1月現在)。ご飯とおみそ汁がそれぞれ160円。特ロースカツでお食事の際は、ご飯とおみそ汁の注文もお忘れなく。

2016年とんかつ冒険の旅

目指すとんかつのレベルが上がれば上がるほど、このブログへのエントリーが減っていくという予想しなかったスパイラルを味わっておりますが、読者のみなさまのご機嫌はいかがでしょうか。2016年も「ただこのとんかつが食いたい!」をよろしくお願いいたします。

とんかつマニアの読者諸兄も、その年の最初に食べるとんかつは特別なものとして扱われていることと拝察いたします。不肖筆者も例外ではなく、今年も順当に櫻屋さんの極上ロースカツ定食で幕開けいたしました。実は2015年最後のとんかつ体験、すなわち「今年の締め」のとんかつで失敗してしまい、なんとしてもそのリカバリーかつ「とんかつ初め」は失敗できなかったのです。おかげで素晴らしいとんかつ初めを堪能しました。

昨年久しぶりにこのブログの読者と直接出会う機会がありました。某SNSでお友だちになってその方のとんかつログを拝読すると、実にクリーンかつツボを得たチョイスをされておられることに感銘を受けました。このブログでは、とんかつとの出会いをごく個人的な経験として扱ってまいりました。それはあたかも映画と鑑賞者の関係に似ていたと思います。つまり「私はうまいと思う」の心です。しかしマニア同士でのみ共鳴する魂、また共有すべき情報も多くあることを、その方との熱い会話で実感いたしました。

このブログの使命は「個人的価値観に基づくとんかつ専門店のカタログ化」と、「とんかつとその周辺料理の考察」だと定義しておりましたが、2016年は「共鳴者との情報共有」という意味も持たせていこうと思います。その具体策などはいまだ暗中模索ではあります。またその目的にはSNSの方が向いているという現実もあります。が、難しいことはさておき、今年もとんかつを食べまくる所存であります故、みなさまどうぞご贔屓にお願い申し上げます。