仙台 とんかつトマト





とんかつトマトは閉店した模様です。2011年6月30日。

■お店
とんかつトマト 
〒983-0852仙台市宮城野区榴岡2丁目3-22 臼福ビル2F
Tel : 022-256-8845
定休 日曜日

■前口上
以前市街地アーケード街にあった頃足しげく通いました。ランチタイムは¥1,000のランチメニューもありますが、基本的に本ログはレギュラーメニューを評価対象としており、敢えてお店のウリであろう下記のメニューを試しました。評価にあたりかつて通った店への依怙贔屓は一切ありません。それどころか…(泣)。

■概要
対象メニュー:「霜降りレッド」のロースかつ定食 ¥1,580

盛りつけ:トンカツ網上に置かれ、キャベツと同じ皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース。
カラシ:出来合いの小袋入り
その他:ご飯、みそ汁、ポテトサラダ。漬け物

■感想
お肉はそこそこですが、一個のトンカツとして評価する場合、肉と衣がバラバラな感じがします。お互いにヨソヨソしい…。またカラシが弁当に付いてくるような小袋入りのものが供されるのも全くいただけません。この二点だけでも評価は中未満ということになってしまうところですが、この店のソースはちょっと特筆もの。野菜をベースにしていると思われますが、ふんわりしていて且つエッジが立っており美味。はっきり言ってソースで食べているようなものですね。

■評価
中の下。お店の位置する仙台駅東口は、2009年現在急ピッチで再開発が進行中。これからは野心的な飲食店も増えてくるでしょう。今のままではとんかつトマトは危ないです。

宮城県加美町 とんかつきたむら

■お店
とんかつきたむら 
〒981-4261宮城県加美郡加美町町裏 373-2
Tel : 0229-62-5250
営業時間:[月~土] 11:30~14:30/17:00~21:00 [日・祝] 11:30~14:30/17:00~20:00
定休 不定休

■前口上
仙台からけっこう北に上がった旧中新田町にある看板に「純粋黒豚」と出しているトンカツ屋さん。普通の豚肉を使ったメニューもありますが、値段で400円前後の差があります。ここは黒豚肉を使ったメニューを食するべきでしょう。

■概要
対象メニュー:黒豚ロースカツ定食 ¥1,560

盛りつけ:トンカツはキャベツと同じ皿に盛られます
キャベツ:手調理の様子
ソース類:特製トンカツソース。
カラシ:卓上。自由
その他:ご飯、みそ汁、漬け物。食後、コーヒーがサービスされます

■感想
カツの厚みは15mm程度で王道と言えますが、若干衣がジャキジャキしていて、せっかくの黒豚の味をゆっくり味わうのが難しい感じがします。またこの衣が割と簡単にはがれてしまい、ちょっと興醒めする瞬間もあったりします。

■評価
中の中。黒豚の醍醐味を味わうには少々物足りない気がします。またカツそのものが若干揚がり過ぎのようにも思えます。しかし加美町のような田舎町でトンカツ専門店というその気概や良し。実際あのあたりでお腹が空いた時は本当に助かります。

宮城県多賀城 とんかつ串揚げ とんちん館

■お店
とんかつ串揚げ とんちん館 website
〒985-0845 宮城県多賀城市町前3-92-1
Tel:022-366-5922
営業時間 11:00~16:30/17:30~21:30
定休日 水曜日

■前口上
店名から敬遠してはもったいない。店内の手入れの行き届き方、張り紙などの雰囲気から店主が並々ならぬ気を配っていることは容易に推測できます。そのような店主の気合いは時として吉凶分かれるものですが、幸いこのとんちん館に漂う空気は筆者にとっては好ましいものでした。

■概要
対象メニュー:スペシャルロース(130g) ¥830 (180g)¥1,260

盛りつけ:トンカツは網上に置かれ、キャベツと同じ皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース。3種のゴマとすり鉢。ドレッシングはフレンチと和風青じそ風味の二種
カラシ:卓上。自由
その他:タマネギの串揚げが一切れ付いてきます

■感想
130gのヴァージョンを食べました。肉が実に柔らかい。衣はザクザクしており、ドロリ系のソースがよく絡みます。ご飯も粒が立っていてこちらもうまいです。一本だけ串揚げがついてくるのですが、串カツ好きの私としてはけっこう嬉しいサプライズ。ご飯と肉が旨いのでどんどん食べ進んでしまいます。食べ終えてしみじみ考えます。「これで830円は安い!」

ちなみに地酒や焼酎にもこだわりがあるようで、へぇ、こんな銘柄がトンカツ屋で呑めるのか、というような地酒が並んでいました。

■評価
中の上。180gのヴァージョンやその他のメニューも食べ比べてみなければ最終判断はできませんが、これだけのロースカツを供する店が、他のメニューで手を抜いていることも考えにくいです。何よりもこの店のロースカツは塩やしょうゆでも食べてみたくなります。ただし、揚げている油の味が口中に蓄積されていく感じがあり、後半それが気になるかもしれません。衣と油の関係だと思うのですが…。トンカツは奥が深い。

東京神田 とんかついもや二丁目店

■お店
とんかついもや 二丁目店
〒101-0051東京都千代田区神田神保町2-48
Tel : 03-3265-0922
定休 隔週水曜日

■前口上
私の師匠によると、東京には食べるべきトンカツ店が5軒あるのだそうです。そのうちのひとつが「丸五」で、もうひとつがこの「いもや」なのだそうです。いざ食さん!

■概要
対象メニュー:とんかつ定食 700円

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:トンカツソース
カラシ:卓上。自由
その他:お新香は別メニュー(100円)

■感想
トンカツそのものは非常に肉厚で衣もザクザク系。それが大きめの平皿一面にどかっと盛られたキャベツの上に横たわっています。というかトンカツを一切れ食べるために取ると、すぐ下はキャベツでびっくりしました。皿の上にはキャベツとトンカツだけです。ソースはごく普通のトロリ系のトンカツソースで、たくあんが大きな容器からそれぞれ欲しいだけ取ってくる様式(吉野家の紅しょうがをご想像いただきたい)で給仕されています。

改めて目の前に並んだとんかつ定食の全容を前に「これで700円!?」と驚きつつ一口カツを食べてみます。なるほど肉の質は極上というわけではありません。はっきり言えばこの厚みで食べるには少々堅い。ふ~む、と思いつつご飯を一口、キャベツを一口。もぐもぐもぐもぐ。口の中が落ち着いてきたところでおみおつけを一口すすります。お!なんかコクがある…。なんと具はシジミです。貝の出汁がある意味粗野なこのお店のトンカツにふくよかな余韻を付けてくれます。ボトムが太くなると言うか…。う~ん、なんか幸せになってきた!

カウンター席のみの店内を見渡すと男性客しかいません。ま、それも当然かもしれません。なにしろご飯の盛りがやたらいいのです。小ぶりのご飯茶碗にして三杯分はあるでしょう。さらにこの後大盛りを頼んだ人がいて盛り付けるのをみていたら、前記基準で優に五杯分はありました。どういう胃袋なのでしょうか。人事ながら心配になってしまいます。お客はみんな一生懸命もぐもぐやっていて誰一人として口をききません。何しろ複数人で行っても空いた順にバラバラに着席するので、もとより会話など存在しないのです。男達ばかりがカウンターで黙々ととんかつを食べる…。こう書くと異様に思われるかもしれませんが、虚飾を排した実直なお店の態度とそれを信頼するおなじみの客達、と考えるととても幸福な風景に見えてくるから妙です。

■評価
上の下。確かに品質のことだけを言えばもっとおいしいお店はあると思うのですが、ヴォリューム対値段のバランスを考えると「好きな人にはたまらない」お店であることは間違いありません。例えば仙台にもこのヴォリュームとクオリティで700円というお店は無いでしょう。店員の態度や品質からこのお店は認められない、という評価もあるでしょう(この店の店員さんは概して無愛想)。しかし東京の下町で700円でありつけるおいしい食事の希少性を加味し評価します。なんか、もう単に「ありがたい」(笑)。

宮城県美里町 とんかつふじ

■お店
とんかつふじ
〒989-4204宮城県遠田郡美里町大柳字後藤渕20-4
Tel:0229-58-2230

■前口上
店名こそ「とんかつふじ」ですが、そば・うどん・ラーメンなどもメニューに並ぶ、つまり「町の食堂」。ちなみにお店の本棚にはなぜかヤクザ漫画含有率が高かったです(笑)。

■概要
対象メニュー:ロースカツ定食 1,100円

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:手調理の様子・あまり量は多くありません
ソース類:(恐らく市販の)とんかつソース。ドレッシング類は無し
カラシ:皿に多めに盛りつけられます
その他:マカロニ入りポテトサラダ。たくあん小皿。ごはん。みそ汁

■感想
結構肉厚な上に衣の目も細かく、この目の細かい衣は筆者としてはかなり重視したい点。しかも肉は柔らかい。ご飯の炊き方も相性良し。キャベツの量は少ないものの、機械ではなく手で調理されています。ザクザクです。これだけでもポイント高し。「町の食堂」としては非常にうまい部類なのでは…。

味噌汁の具はわかめととうふ。これはインスタントじゃなくちゃんとこのお店で調理されたものらしく、とうふにパックの跡があります(笑)。飛び抜けて良い素材や調理技法ではありませんが、「やるべきことをきちんと」作っている感じがします。どんぶり飯ととんかつ本体の量的バランスもちょうど良し。満腹になってふと卓上のメニューを再度見てみると、「ご飯は宮城県産ササニシキ」「お肉は宮城県産の柔らかポークを使用しています」と大きく書かれています。やはり「ウチはとんかつ屋」という自負があるのでしょう。

■評価
中の上。お店を出たあとで地元の人に会った際にこの店で昼食を摂った旨を告げると「あぁ、とんかつふじね!」と笑顔で言っていました。察するに地元でも信頼されている店なのかもしれません。美里町付近でお腹が減ったらぜひ!

仙台 とんかつ加茂

■お店
とんかつ加茂
〒981-3124仙台市泉区野村字前河原14-3
Tel : 022-375-0633
定休 火曜日

■前口上
その日は久しぶりに「櫻屋」に行くつもりで家を出たのですが、定休日であることに気が付きました。何たること!しかしすでに私の胃袋は「とんかつ腹」になっており、おいそれとメニューの変更を許す状態ではありませんでした。そんな時に思い出したのがこの「とんかつ加茂」。やはり看板が以前から気になっていたのでした。

■概要
対象メニュー:ロースカツ定食 1,150円

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます。網無し
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース、サウザンアイランド、フレンチ
カラシ:卓上。自由
その他:昆布の佃煮。ごはん。みそ汁。キャベツ、ご飯のお代わり共に無料

■感想
2種類のロースカツ定食がラインナップされています。曰く「特製ロースカツ定食¥1,600」「ロースカツ定食¥1,150」です。残念ながらこの「特製」は全く見るべきところのない高いだけの「食べてはいけないメニュー」なのですが、普通の「ロースカツ定食」の方は内容と値段が素晴らしいバランスを保っています。

衣が若干揚がりすぎという印象もありますが、肉も充分柔らかく、脂身の味も決して粗野ではありません。ほほう、と嬉しくなりキャベツも加えつつ食べ進みます。個人的には昆布の佃煮があるのはとても嬉しいです。とんかつとごはんという最強タッグを自然な甘みで引き立てるナイス脇役と思うのですが、いかがでしょうか。

■評価
上の下。店員の対応は問題無いものの、常に大音量で垂れ流されるテレビ放送はいただけません。せめて有線放送の音楽程度にしていただきたい。評価とは関係ないけど長編ものの漫画単行本の巻数が全く揃っておらず、並べ方もバラバラでちょっとイライラします。衣も個人的に少々揚がり過ぎなのでは?という疑問がつきまといます。とは言え定食のパッケージとしては非常に好感度高し、です。

東京神田 丸五

■お店
丸五
〒101-0021東京都千代田区外神田1-8-14
Tel : 03-3255-6569
定休 月曜・第3火曜日

■前口上
東京の老舗(と言っても過言ではない)に気軽に入れる喜びと、真摯な職人仕事を堪能できます。

■概要
対象メニュー:ロースカツ定食 1,750円

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース、サウザンアイランドなどのドレッシング
カラシ:卓上。自由
その他:出来合いの漬け物の小皿。ごはん。みそ汁。キャベツ、ご飯のお代わり共に無料

■感想
ここはお盆に全部まとめて給仕するのではなく、ご飯、味噌汁、漬物がカツよりも一足先に運ばれてきます。つまり空腹抱えてしな垂れていると、つやつやのご飯とうまそうな味噌汁、漬物がまず目の前に並ぶわけです。こりゃ当然一口すすってみますよね。この味噌汁が赤出汁で、量は少ないながらも空腹感を加速させる逸品。やべぇ!これ以上待てないよ!!というところにキャベツとカツが運ばれてくるのです。この時間差攻撃が実に憎い演出です。

厚めに切られた肉の揚がり方も衣との相性も極上。見た目も口に入れた瞬間も素っ気ない程ですが、逆にこの素っ気なさが職人仕事の極みとも言えるのではないでしょうか。

梅干しも別壷で卓上に用意されており、油で酸化した口中を中和するのに役立ちます。心憎い配慮です。

■評価
上の中。何も言うことはないのですが、仙台在住の筆者がしょっちゅう食べに行けないのが玉に瑕。やっかみ半分で「上の中」とします。ただし、神田でトンカツを食べるということ自体に丸五での食事の意味を見出すなら「上の上」。

追記2010年2月18日
2010年2月に特ロースかつ定食を食べ、そのおいしさに完全にノックアウトされました。もう文句の付けようがありません。ランキングを見直し丸五の評価を上の上に変更いたします。参りました。特ロースかつ定食を食べた時の感想はこちらをお読みください。

仙台 櫻家

■お店
とんかつ櫻家
〒981-0954仙台市青葉区川平1-19-2
Tel : 022-279-4889
定休 木曜日

■前口上
「櫻家」という看板の字体がどうにも気になり、何の前情報もなく飛び込んでみたところ驚きのウマさ。この店の極上ロースカツ定食が筆者のリファレンストンカツでありスタンダード。

■概要
対象メニュー:極上ロースカツ定食 1,350円→1,500円(2016年4月改定)

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース、特製和風ドレッシング、醤油、塩
カラシ:最初から皿に盛られています
その他:切り干し大根や冷や奴などの小鉢がひとつ。出来合いの漬け物の小皿。ごはん。みそ汁。ご飯の大盛り、お代わり共に有料。キャベツのお代わりは無料

■感想
サイボクという種畜牧場のゴールデンポークなる種のお肉を使ったメニューは、本当に肉を食べている実感を得られます。肉汁に溢れ、繊維はやわらかく、またそれを包むサクサクした衣との相性も大変よろしい。筆者は必ず数切れをカラシじょうゆや塩だけでも食べます。特に塩で食べるこのメニューはパン粉や肉の素性がストレートに楽しめて嬉しいです。

直球ど真ん中のこの定食の他ににんにくバターを肉の間にはさんだフランス風トンカツ定食や、おろしポン酢で食べる和風定食も当然おいしいです。

■評価
上の上。重箱の隅を電子顕微鏡でのぞかなければ欠点らしいものは発見できません。いつ行っても至福の数十分。敢えて難点を見つけるなら人気店になってしまったためピーク時間帯はかなり待たされてしまうことでしょうか。仙台でトンカツを食べるならまずはとんかつ櫻家から。

仙台 櫻家

■お店
とんかつ櫻家
〒981-0954仙台市青葉区川平1-19-2
Tel : 022-279-4889
定休 木曜日

■前口上
「櫻家」という看板の字体がどうにも気になり、何の前情報もなく飛び込んでみたところ驚きのウマさ。この店の極上ロースカツ定食が筆者のリファレンストンカツでありスタンダード。

■概要
対象メニュー:極上ロースカツ定食 1,350円→1,500円(2016年4月改定)

盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:特製トンカツソース、特製和風ドレッシング、醤油、塩
カラシ:最初から皿に盛られています
その他:切り干し大根や冷や奴などの小鉢がひとつ。出来合いの漬け物の小皿。ごはん。みそ汁。ご飯の大盛り、お代わり共に有料。キャベツのお代わりは無料

■感想
サイボクという種畜牧場のゴールデンポークなる種のお肉を使ったメニューは、本当に肉を食べている実感を得られます。肉汁に溢れ、繊維はやわらかく、またそれを包むサクサクした衣との相性も大変よろしい。筆者は必ず数切れをカラシじょうゆや塩だけでも食べます。特に塩で食べるこのメニューはパン粉や肉の素性がストレートに楽しめて嬉しいです。

直球ど真ん中のこの定食の他ににんにくバターを肉の間にはさんだフランス風トンカツ定食や、おろしポン酢で食べる和風定食も当然おいしいです。

■評価
上の上。重箱の隅を電子顕微鏡でのぞかなければ欠点らしいものは発見できません。いつ行っても至福の数十分。敢えて難点を見つけるなら人気店になってしまったためピーク時間帯はかなり待たされてしまうことでしょうか。仙台でトンカツを食べるならまずはとんかつ櫻家から。