山形東根・3男坊


■お店
とんかつ3男坊
〒999-3770 山形県東根市柏原1-1-45
Tel : 0237-47-3750
定休 木曜日
営業 (昼)12:00~14:00(夜)17:30~20:00
席数 トンカツ屋さんとしてはとても広い

■前口上
信頼できる人からの情報はなるべく裏付けをした方が良い。を地で行く展開だったのが今回の3男坊。仙台からふらっとドライブがてら行くにもちょうどよい距離です。特に山形県内のトンカツ屋情報は(筆者周辺には)乏しく、ライブラリを充実させるためにも積極的に出向くべきでしょう。

■概要
対象メニュー:ロースカツ定食(多分120〜140gくらい)1,500円
盛りつけ:1枚のお皿にキャベツにカツ。ちいさなじゃがいものフライが付いてきます
キャベツ:機械調理のもよう
ソース類:トンカツソース(煎りゴマすり鉢は付いていません)、しょうゆ、塩2種(岩塩と食卓塩)。
カラシ:必要量お皿に盛られています
その他:大根おろし(シラスおろし)も付いてます

■全景



■感想
トンカツ屋さんというよりは「洒落た街のレストラン」という態。居心地は良さそうです。山形市内の「ちん豚(このブログではまだ未紹介)」もそうだったのですが、小鉢料理として大根おろし(3男坊ではシラスおろし)が付くのは、山形地方独特の文化なのでしょうか。おかげで一切れは「和風おろしカツ」として食べてみたのですが、お得な気持ちになります。お得と言えば、カツの上にちょこんと乗っているじゃがいものフライも良いです。個人的にじゃがいものフライが好きなんですが、仙台市内の秀かつのタマネギフライのおまけと合わせて、「ロースカツ付いてたら嬉しい選手権」ワンツーフィニッシュです。

店内や盛り合わせにこういう気配りができるお店のカツがおいしくないことはまずありません。左様、3男坊のロースカツ、とてもおいしかったです。肉の厚みにまずにんまり、一切れ口に入れて衣の目の粗さや揚げ具合ににんまり、そしてソースとのハーモニーににんまりにんまりです。見落としがちですが、米処だけあってごはんもおいしいです。

唯一失策だったのは、定食のデフォルトのご飯だけではやや少なめなこと。漬物も量がしっかりありますし、加えて冷ややっことシラスおろしです。ご飯が進む進む(笑)。筆者が食べ終わる間際に入店してきたサラリーマンの先輩格が「ご飯、大盛りだからね」と後輩に問答無用で指示していたのが印象的でした(笑)。

■評価
上の中。その他のメニューや混雑時の客層、あしらいの様子によってはマイナス要素があるかもしれませんが、味だけを評価するなら間違いなく上の下以上。今後も通うことになりそうですし、その結果ランク格上げも大いにあり得ます。「東根市には3男坊あり」と読者のみなさんは心に刻んでください。

岩沼・かつ吉 良く言えば昭和テイスト

なんと相馬の銘店「かつ吉」と同名店。このブログでは岩沼・かつ吉と表記します。

■お店
とんかつの店 かつ吉
〒982-0261 宮城県岩沼市桜2-4-16
Tel : 0223-23-2090
定休 火曜日+第三水曜日
営業 (昼)11:00-14:00(夜)17:00-20:00
席数 20
website http://katsu-kichi.com

■前口上
ひょんなことからこのお店のことを聞きました。岩沼は「トンカツ銀座」と呼ばれるほど(って筆者が勝手に言ってるだけですが)トンカツ屋さんが多い。しかし筆者にとっての当たりのお店は少ない。惜しい!しかしこちらの岩沼・かつ吉、ウェブサイトを拝見するとなかなかにそそる文言が踊ります。何よりもオリジナルドメインを取得しているくらい気合いが入っています。ふむ。これは食べてみたい!ということで訪れた某日。本当に住宅地の真ん中にあります。岩沼市内に明るくない筆者は、ナビが必須でした。

■概要
対象メニュー:ロイヤルプリンス上かつ定食(多分100〜110gくらい)1,260円
盛りつけ:1枚のお皿にキャベツにカツ。ナポリタンとマカロニマヨネーズ和えが少々
キャベツ:機械調理のもよう
ソース類:トンカツソース(煎りゴマすり鉢は付いていません)、しょうゆ、ごましお。ドレッシングの類いはなし
カラシ:別容器・自由
その他:平皿のご飯と味噌汁だけの潔さ

全景



■感想
テーブル席が8席に小上がり席が12席の小体な店内。筆者よりも少し年上かな〜という感じのおばさんが店内を仕切っています。このおばさんの客あしらいが(正確には言葉遣いが)あまりよろしくない。「お決まりですか?」ではなく「もう決まった?」とか小上がりからテーブル席に途中移動を願い出た老婦人に「(すでにサーブした)お茶、自分で持ってきてね」、ランチに付く食後のコーヒーを「コーヒー、置いておきますね」などなど。うーん、文字だとあの無礼な感じが伝わらない(笑)。ともあれ常連の多い飲食店ではこういう対応が普通だったりしますので、そこに目くじらを立てるほどではありません。

カツが運ばれてきて、やっぱり目が行くのは付け合わせのナポリタンとマヨネーズで和えたマカロニ(笑)。これはアレですか?岩沼トンカツ屋さんシンジケートなる組織があって、そこで血の掟として必ずこの二品は付け合わせろ!ってことになってるんでしょうか。少なくとも真摯にお店のメニューのアップデートを試みているトンカツ屋さんでは死に絶えた付け合わせです。ま、好きな人にはたまらないのでしょうけど、筆者は特にマカロニは必要ありません。

イントロが長かったですが、トンカツそのものの評価はどうでしょうか。ロイヤルプリンスポークという銘柄は初耳ですが、店内の張り紙に拠れば宮城県産のブランドのようです。よくあるブランド豚と異なり、肉そのものが硬質で歯ごたえたっぷり。ロース肉の脂身もクセのないお味。それなりの厚みのカツそのものは高温の油で短時間であげているようで、黄金色系の仕上がりなのに口に入れると熱くて驚きます(お肉の硬さは揚げ方にも影響されると思います)。また衣の付け具合があまい個体では、お肉が直に揚げられて焦げ気味になっていました。この咬み応えのあるお肉とザクザク系衣のハーモニーは悪くありません。ソースは取りたてて特筆するものではありませんが、ごくオーソドクスなもの。キャベツにもトンカツにもたっぷりかけて食べるのが正解のようです。

別容器で供されるカラシは付けても付けても辛くない(笑)。途中で追加すれば良いだけなんですけど。ぞんざいに扱われた老婦人はごはんにごま塩をかけて食べておられました。それ、真似すればよかった!

■評価
中の上。良い意味で中庸。良く言えば昭和テイスト。余計な小鉢類が付かないのもある意味加点要素です。ただおばさんの客あしらいのぞんざいさ、そしてごはんが平皿で供されることが「上」ランク入りを阻みました。はっきり言いますが、箸で御飯を食べる場合、茶わんや丼こそが正しい食器です。なぜなら平皿に盛られた最後のご飯を箸で掬う時、お皿を持ち上げないととても苦労するからです。平皿はそもそも手に持つための食器ではありません。本来なら「中の下」ランク要素ですが、トンカツそのものにパワーを感じたので、今回は「中の上」とします。今後再訪し、別メニューを食べたらランクの変更もあり得ます。

店内にあったメニュー表をいただいてきました。
でも今回食べたメニューが載ってない…