仙台 とんかつ叶(かのう)


■お店
とんかつ 叶(かのう)
〒980-0811 仙台市青葉区一番町3丁目10-3 川村ビル 1F
Tel : 022-225-1783
定休 水曜日
website http://www.vlandome.com/shop/kano/index.html

■前口上
その日は現場仕事でした。なんとかメシタイムをキープしたものの、さっさと食べて現場に戻らねばならなかったのに知った店もなく、仙台市内の商店街ぶらんどーむ一番町をきょろきょろと歩いていたのでした。そんな折にふと目に付いた少し煤けた黄色い看板。うむ、街の老舗のとんかつ屋ではあるまいか。空腹と時間に追われてあまり深く考えず入店したのでした。櫻屋やかつ勢のような突き抜けた味ではありませんし、とんかつ以外のメニューも充実していることからむしろ洋食屋として認識する向きもあろうかと思います。それでもこのブログでご紹介するにはわけがあります。

■概要
対象メニュー:ロースかつ定食880円
盛りつけ:キャベツといっしょ盛り。
キャベツ:若旦那が暇を見つけて一生懸命千切りにしてます
ソース類:特製トンカツソース(ゴマ入りのすり鉢が別に付きます) 
カラシ:トンカツと同じ皿にたっぷり(←ここ重要)
その他:漬物。別盛りのサラダが付いてきて予めドレッシングがかかっています

■感想
お肉も極上ではなく衣も食べ進めるうちに剥がれたりして、とんかつにだけ焦点を当てて評価すればそれほど上等ではありません。店内も広くないですし、喫煙を認めています。それなのになぜ筆者が何度も叶に通うかと言えば、お店の人々のさりげない気配りだったり、店に入った瞬間に目を合わせてニコッと笑っていらっしゃい!と声をかけてくれるご主人の人柄など、つまり「その店にいる時間」そのものがとても心地よいからです。それこそこのブログで紹介する理由です。またここのおばさんには重要なことを教わりました。すなわちゴマをすった後のすり鉢にソースを注ぎ、さらにカラシも混ぜてしまう方法。「こうするとカラシを万遍なく味わえるからね」と。以後ソース用すり鉢のあるお店では拳々服膺しております。非喫煙者の私の背後でタバコを吸うお客さんが後から座った時にはすぐにこのおばさんが「席、代わる?」と耳打ちしてくれました。もっとも入り口に近い席に移ったら丁度若旦那がキャベツを刻んでいました。常連さんらしいおじさんが昼からビールを呑みながらおばさんと世間話をしている姿もとても好ましいもの。味噌カツや串カツと言ったとんかつ変化球に加え煮豆腐などのサイドメニューも充実しており、晩酌への迎撃体制も万全です。

■評価
上の下。肉質よりも衣が評価の分かれ目。このジャキジャキした衣を苦手に感じる人もいるでしょう。油ギッシュでワイルドな味が好みな私としてはむしろプラス評価なのですが。繰り返しますがとんかつそのものだけではなく、お店の雰囲気も加点しての評価です。お店の人との会話を楽しめる人なら、ぜひ数回通ってみて欲しいです。どんどん評価が上がってくることでしょう。

お詫びと再開のご挨拶


気が付いたら1年以上放置していました。少数の読者のみなさまにはたいへんご迷惑とご心配をおかけしました。すみません。このブログにエントリーしている文章を書き始めた頃は、おいしいトンカツを食べたら辛抱たまらず、その日の夜にはエントリーするいきおいだったのですが、回数を重ねエントリーには慎重になってきました。なぜかと言うと、同じお店のトンカツでも後日味わうと評価が変わるということが、ままあるからです。

食べる方のコンディションがまず同じではありません。フラフラの空腹時もありますし、一昨日もトンカツを食べたばかり、なんて日もあります。お店の味がそうコロコロ変わるとはあまり思いませんが、そういうこともあり得ると思います。ですから何度か食べてみてからエントリーするように方針を秘かに変えました。

その上おいしいお店のトンカツは何度でも食べたいですから、外食の内のトンカツ率はさほど変わらなくても、リサーチ済みで太鼓判!というお店のリポートを書く頻度はどうしても下がってしまいます。

そしてやはり、おいしいトンカツというのはなかなか巡り会えるものではありません。

とは言え「ではもうトンカツ愛は冷めたのか?」と問われればNO!ですので、もう少しマメにエントリーするよう心がけて参ります。実は以前から書いてみたい、突き詰めてみたいと思っているトンカツネタがあります。それは「カツ丼」と「串カツ」です。どちらもこれまで触れてこなかったバリエーションですが、当然のことながらカツ丼などはしょっちゅう食べているわけでして。しかも最近、カミナリに打たれたかと錯覚するくらい衝撃的においしい串カツを食べたので、このことも書きたくて仕方ないのです。

残念ながら新規開拓は遅々として進みませんが、「また食べに行くトンカツ」カテゴリーからでもぼちぼち書いてみたいと思います。変わらぬご贔屓をお願いいたします。

仙台 とんかつかつせい

■お店
とんかつ かつせい
〒980-0021仙台市仙台市青葉区北目町7-25
Tel : 022-264-3878
定休 日曜日・祝日

■前口上
以前友人夫妻に「仙台で一番うまいトンカツ屋は櫻屋だと思うね」と得意げに開陳したら、「いや、かつせいでしょ」と反論されてしまいました。そんなに旨いなら食べに行かねば!と思いつつ幾星霜。筆者の自宅から北目町は遠い…。たまたま時分時に付近を訪れる機会があり、満を持して入店。

■概要
対象メニュー:特ロースかつ(1,050円)+ご飯(160円)+なめこ汁(160円)
盛りつけ:キャベツといっしょ盛り。
キャベツ:スライサー調理+水さらしの可能性あり
ソース類:特製トンカツソース、塩、醤油。ドレッシングは無し
カラシ:トンカツと同じ皿にたっぷり(←ここ重要)
その他:ポテトサラダ、漬物。特ロースかつ、特ひれかつなどに関しては定食ではなく上記のように単品で注文することになります。


■感想
店に入ったとたん感じる「ここはできる!」という感覚。もうビンビン感じます。初めて入店した際にカウンターで筆者の隣になった男性客は最初から塩で食べていました。うむうむ。これは相当なお店と推察。しかし店内の雰囲気とお客さんの様子を見るだけでここまで悟ってしまうのも実に稀です。カウンターに座れば、ご主人のてきぱきとした無駄の無い動きを逐一目撃できるわけで、そんな様子からもおいしいに違いないという根拠の無い確信を持ってしまいそうになります。でき上がったトンカツを食べてみればそれらは妄想でも思い込みでも無く、純然たる事実として口の中でほぐれます。特に衣と肉の関係はものすごい。ベストバランスと言えます。かつせいではトンカツを縦に短冊に切った上にさらに横にも切るのでさいころステーキくらいの大きさになっているわけですが、そこまで切り刻まれても肉と衣はぴったりくっついたまま。驚くことに最後の一切れまで肉はきっちりと衣をまとったままなのです。流石の櫻屋でもここまでじゃありません。県外からもわざわざ足を運ぶ人がいるのも納得。ちなみに特ロースかつじゃなくてロースかつ定食950円でも同じ極楽を味わえます。確認していませんが、肉そのものはおそらく同じもので、量が違うだけ(当然ロースかつ定食は小振り)だと思われます。


■評価
上の上。文句なし。他のメニューも食べてみたいです。蛇足ながらキャベツの量がそんなに多くなく、漬物がわりとたっぷりあるのも好感度大。櫻屋とは別種の高みにある匠の味です。

仙台 とんかつまつを



■お店
とんかつ まつを
〒980-0021仙台市青葉区中央3丁目4-10ブルービル地下1階
Tel : 022-227-8539
定休 日曜日・祝日
(※定休日は変更ありませんが、ご主人の体調不良により昼間だけの営業となっています)
※2012.10.09. 追記
復活されたようです!!
食べログにあった復活に関するレビュー

機会を見つけて食べに行ってきます。改めてご報告します!!

※2012.07.04.追記
残念なことに、現在閉店中のようです。震災による建物の取り壊しなどがその原因だそうです。


上記リンク先に書かれていることが事実だとすれば、事情はどうあれ復活する模様です。ひたすら待ちましょう!まつを!Come Back!!
(以上追記)

■前口上
街中は意外ととんかつ難民になる確率が高いものです。腹が減っているのにうまいトンカツ屋を思い出せない恐怖は、今更ご説明するまでもありますまい。残念ながら仙台市街地のおいしいお店は実はまだまだ未開拓なのです。まつをを教えてくれたのは同僚の高橋君です。「あそこは、、、、うまいっすね(彼の口まねで読もう!)」と薦められて以来気になっていました。「あそこは、、、ロースカツ重っすね、、、、うまいっすね(彼の口まねで読もう!)」と言われていたのですっかりその気でしたが、いざカウンターに座ってみたら評価者としての思いが勝ってしまい、定番にして定点観察の基本、ロースカツ定食をオーダー。

■概要
対象メニュー:ロースカツ定食 1,250円
盛りつけ:キャベツといっしょ盛り。
キャベツ:手で調理?それくらいキレイな調理
ソース類:特製トンカツソース、塩。ドレッシング
カラシ:特製ソースの小鉢にいっしょに添えられてきます
その他:ごはん、トン汁、香の物


■感想
衣のキメの細かさ、揚げ具合、見ただけで「お!ここはイケる」と思ってしまいそうになります。逸る気持ちと極限にまで減ってしまったお腹を抑えつつ、まずはみそ汁を一口…。ん!これはトン汁じゃぁあ〜りませんか!味噌仕立ての濃いお味付け。ご飯を一口。う!これは・・・。これだけで一膳食べられそう!特製ソースは小鉢によそわれ、すでに辛子もその中に落としてあります(上記画像参照)。適当にかきまぜて(この手法は最近どこでも試してみますが、辛子が万遍なく味わえてお薦めです)カツを一切れちょちょっと付けて食べると…。うむ!大丈夫。美味しいです。衣が肉から若干浮いてしまう瞬間もありますが、あまり問題ではありません。肉もみっしり密度があって噛み応えも丁度良い感じ。あれよあれとと食べ進んでしまいます。

■評価
上の下。この金額でもう少し良い肉質だったらかなり極楽です。ちなみに高橋君イチ押しだったロースカツ重も後日食べてみましたが、どちらを本家に据えたら良いのか迷うほどのうまさ。特にロースカツ重はとんかつとまとの閉店以来難民化していたメニューでしたが、もう過去を振り返らずに済みます!南町通り付近で餓死しそうになってももう大丈夫。私たちにはとんかつまつをがあります!

ただ衣だけが…

必要以上の衣の肌理の粗さが気になった仙台市北部の「とんかつ梨庵」。果たして初回のその評価は正しかったのか。検証のため再度行ってみました。

再びランチタイム。今回はレギュラーメニューではなくてランチメニューからロースカツランチをオーダー。同行した母は梨庵ランチ。この梨庵ランチがすごいです。何と「エビフライ2本、ヒレカツ1枚、巻きカツ2本」で1,450円。ご飯とキャベツはお変わり無料、ミネストローネも付くんですよ?明らかに老母にはオーバースペックです。当然おすそ分けがもらえるものと勝手に仮定し(笑)、出てくるのを待ちます。

いざ運ばれてくると、ロースカツランチは標準的な装いですが、梨庵ランチは見た目からボリュームがすごいです。この巻きカツというのは薄切り肉でチーズと海苔を巻いたカツで、1本おすそ分けをもらって食べたところ、個人的に海苔はいらないなぁという感じ。衣よりも海苔の風味が勝ってしまうんです。ちょっと残念。

キャベツ用のドレッシングはゴマダレと胡椒とニンニク風味の2種類。トンカツソースの他に、相変わらず岩塩と味噌カツ用味噌ダレも付いてきます。こうなるとテーブルの上があっという間に一杯になります。まるで 会席料理やコースメニューを頼んだかのように錯覚しそうになります。お店の作りも含めたその豪華さは良いのですが、ただやはり衣がザクザクしすぎて岩塩の素性やシンプルな塩味を楽しめませんでした。多分衣さえもう少し何とかなればお肉そのものの味も楽しめるし、ソースを付け分ける楽しみも増すのだと思います。やはり評価は覆らず。でも居心地良いお店です。とんかつ屋としてはもろ手を挙げてお薦めできないですが、1回の食事をリラックスして楽しむならと考えれば、良いお店だと思います。