■お店
とんかついもや 二丁目店
〒101-0051東京都千代田区神田神保町2-48
Tel : 03-3265-0922
定休 隔週水曜日
■前口上
私の師匠によると、東京には食べるべきトンカツ店が5軒あるのだそうです。そのうちのひとつが「丸五」で、もうひとつがこの「いもや」なのだそうです。いざ食さん!
■概要
対象メニュー:とんかつ定食 700円
盛りつけ:トンカツとキャベツは一枚の皿に盛られます
キャベツ:機械調理の様子
ソース類:トンカツソース
カラシ:卓上。自由
その他:お新香は別メニュー(100円)
■感想
トンカツそのものは非常に肉厚で衣もザクザク系。それが大きめの平皿一面にどかっと盛られたキャベツの上に横たわっています。というかトンカツを一切れ食べるために取ると、すぐ下はキャベツでびっくりしました。皿の上にはキャベツとトンカツだけです。ソースはごく普通のトロリ系のトンカツソースで、たくあんが大きな容器からそれぞれ欲しいだけ取ってくる様式(吉野家の紅しょうがをご想像いただきたい)で給仕されています。
改めて目の前に並んだとんかつ定食の全容を前に「これで700円!?」と驚きつつ一口カツを食べてみます。なるほど肉の質は極上というわけではありません。はっきり言えばこの厚みで食べるには少々堅い。ふ~む、と思いつつご飯を一口、キャベツを一口。もぐもぐもぐもぐ。口の中が落ち着いてきたところでおみおつけを一口すすります。お!なんかコクがある…。なんと具はシジミです。貝の出汁がある意味粗野なこのお店のトンカツにふくよかな余韻を付けてくれます。ボトムが太くなると言うか…。う~ん、なんか幸せになってきた!
カウンター席のみの店内を見渡すと男性客しかいません。ま、それも当然かもしれません。なにしろご飯の盛りがやたらいいのです。小ぶりのご飯茶碗にして三杯分はあるでしょう。さらにこの後大盛りを頼んだ人がいて盛り付けるのをみていたら、前記基準で優に五杯分はありました。どういう胃袋なのでしょうか。人事ながら心配になってしまいます。お客はみんな一生懸命もぐもぐやっていて誰一人として口をききません。何しろ複数人で行っても空いた順にバラバラに着席するので、もとより会話など存在しないのです。男達ばかりがカウンターで黙々ととんかつを食べる…。こう書くと異様に思われるかもしれませんが、虚飾を排した実直なお店の態度とそれを信頼するおなじみの客達、と考えるととても幸福な風景に見えてくるから妙です。
■評価
上の下。確かに品質のことだけを言えばもっとおいしいお店はあると思うのですが、ヴォリューム対値段のバランスを考えると「好きな人にはたまらない」お店であることは間違いありません。例えば仙台にもこのヴォリュームとクオリティで700円というお店は無いでしょう。店員の態度や品質からこのお店は認められない、という評価もあるでしょう(この店の店員さんは概して無愛想)。しかし東京の下町で700円でありつけるおいしい食事の希少性を加味し評価します。なんか、もう単に「ありがたい」(笑)。
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